HOME ジャーナル

Journal

営業

2023.11.28

「捨てるもの」から「暮らしを彩るもの」へ タオルの端材からふっくら布ぞうりができました。

書き手 | 小堀まりな

ものづくりを続ける上で常に考えないといけないことが「廃棄物とどう向き合うのか」という問題です。
切っても切り離すことの出来ない問題である廃棄物の量自体を減らしていく活動はもちろん、
発生してしまう廃棄物に対して、新たな価値を与えて再利用していく『アップサイクル』というベクトルでの環境配慮も企業の活動に欠かせない取り組みとなりつつあります。

 

前記事でご紹介した「クツシタ人」がまさに、商品化にはいたらなかった靴下をぬいぐるみとしてアップサイクルした取り組みでした。

そのクツシタ人の中綿として詰めていたものが、『捨て耳』というタオルの端部分です。
コンテックスでは、2019年頃から看板商品であるMOKUを制作する際に出てしまう『捨て耳』を用いて、様々な商品開発を行ってきました。

今回の記事では環境意識が高まったことにより、改めて注目されている「アップサイクル」について、タオルメーカーだからできる「不要となったもの」を生まれ変わらせる取り組みについてお話しします。

1.MOKUの捨て耳から布ぞうりが誕生?!!

コンテックスのベストセラー商品MOKU

軽量で、吸水速乾に優れた商品でインドア、アウトドアともに使い勝手抜群。
しかし、MOKUを製造する過程で不要となる捨て耳は、年間2.8トンほど破棄されていました。
こだわって作った商品だからこそ最後まで無駄にせず、そこから新たな価値を生み出すことはできないか・・・と考えていたところ嬉しいご縁がありました。
なんと復興支援で布ぞうりを制作していた「ふっくら布ぞうり」の会でMOKU布ぞうりを作ってもらえることになったのです。

ふっくら布ぞうりの会は、2011年に起きた東日本大震災の復興支援がきっかけで発足しました。
新たなコミュニティ作り、生きがいづくりにつなげようとボランティアが編み物や縫物などさまざまなワークショップを企画したことが始まりです。
その中のワークショップの1つが「布ぞうり」でした。東北で行われた講習会をきっかけに、最初の編み手チーム「南三陸ふっくら会」が発足し東北地方の編み手チームが増えていきました。そして現在は、布ぞうりの活動を通して培ってきたノウハウや経験を活かし、様々な難題を抱えた方たちの社会参加を応援する活動を首都圏でスタートさせています。

今回は、編み手チームの1つである「いろいろ亀戸」さんの活動におじゃまし、編み体験させていただきました😃
MOKUは、カラーバリエーション豊富でタオルなだけあって、肌触りや吸水性はまちがいなし!
でも、捨てる前提の捨て耳は細かい布のほこりがたくさんでてくるのです。それをどうやってこんな素敵な布ぞうりに仕上げているのか…興味津々で参加させていただきました。

 

2.熟練職人が作る ~MOKUから布ぞうりに生まれ変わるまで~

まず、目に飛び込んでくるのがこの大量のMOKUの捨て耳!

今回、弊社の工場から届いた色は「アクア」と限定色「オーシャンブルー」
編み手のみなさんはカラバリ豊富なMOKUの色を覚えていて、全21色のカラー名を覚えていることにビックリ( ゚Д゚)

工場から届いたままだと、絡まったり布のほこりが出たりするので、一本ずつくるくると丸めて織りやすいように下準備を行っていきます。
編み手のみなさんにお話を伺うと、声を揃えて「MOKUはこの下準備が一番大変!!」と…..笑
この作業をしっかり準備しておけば、編むのは簡単なのよ♩と熟練の編み手さん。
みなさん布ほこりだらけになりながら、、楽しいおしゃべりが続き、着々と準備が進んでいきました。

下準備が終わったら、布ぞうり編みがいよいよスタートです。
この編み機は100円ほどで手に入るものばかり。滑り止めなど個々でやりやすいようにどんどん工夫してこの形になっていったそうです。

かかと部分から一目一目丁寧に編んでいきます。
しっかりと編んでいますが、力を入れてギュッギュッと編んでいるわけではないので、ふっくらとした履き心地になります。
そして、最後にギュッと力を入れて形を整えていきます。手間をかけて丁寧に織り上げているので織りあがった布ぞうりからほこりが出ることはありませんので心配ご無用✨

MOKUの捨て耳約140g程度で布ぞうり片足分。
1足編むのに、2時間から3時間かかります。手間ひまをかけ少しづつ、少しづつ、端材が生まれ変わっていきます。。

ここで私も少しチャレンジ😃
みなさん簡単そうに編まれていましたが、同じ力加減で編んでいるはずなのに少し狭まったりと実際にやってみると幅を揃えるだけでも苦戦(-_-;)
しかし、みなさんがやさしく教えてくださったおかげで楽しく編むことができました。ある程度出来上がったら商品サイズに合った長さに調整しつつ、つま先かかと部分は絞らせながら編んでいきます、、ここからは職人さんに仕上げていただきました😺

編み終わったら、MOKUのカラーに合う鼻緒を付けていきます。
鼻緒は裏側で結びなおしてキツさを調整することが可能です。結び目がリボンになっていてかわいい♩


そして、紙帯には編み手チームのロゴと編み手の名前印が押してあります。
編み手それぞれのアイディアによって、編み目をきれいに揃えたり、あえてMOKUの風合いを生かす形で網目をランダムに織り上げたりと1点1点違った表情の布ぞうり。
端材で織り上げるからこそ、同じものはひとつとしてありません✨

3.一年中快適に過ごせる「布ぞうり」

MOKU布ぞうりはお洗濯も可能で、乾きが早いことも特徴です。
編み手の方の中には、2年以上大切に履いてくださっている方もいらっしゃいました。
やわらかいMOKUの捨て耳は肌なじみも良く、夏場は汗をしっかり吸水してさらっと履ける♩とのこと。布ぞうりは夏のイメージが強いけれど「冬も五本指ソックスや足袋ソックスを履いて布ぞうりを楽しんでね!」と、お花の鼻緒とMOKUのマンダリンカラーがかわいい布ぞうりをプレゼントしてくださいました。

実際に布ぞうりを履いてみると、、
冬場はいつも足先が冷たく靴下を重ねて履いていましたが、布ぞうりは厚みがしっかりあることで底冷えせず、歩くときに鼻緒をしっかり掴んだり、足首から足裏まで全体をしっかり動かすことで血流が良くなり足裏から身体中がじんわりと温かくなりました♩
普段は気にせずに歩いていますが、布ぞうりを履くと「足裏、指先をしっかり使って歩いている」という感覚がとてもよくわかります。自然と背筋がのびて姿勢が良くなっています。

最近では、日頃足指をあまり使わないために偏平足になり、転びやすかったりと子供の足のトラブルも増えてきているそうです。
布ぞうりは、足裏アーチ(土踏まず)が戻ってくる働きがあるので偏平足予防にもつながります。
ぜひ家族皆さんで一年中使えるMOKU布ぞうりをお試しくださいね。(履き心地抜群です!)

ふっくら布ぞうりの会では、ほかにも型落ちのTシャツ生地、サンプルで製作したシャツ生地などなどさまざまな生地を使って布ぞうりを製作されています。
布ぞうり職人を目指される方には研修制度もあり、職人として一人前になるまでに何足も何足も編んで練習します。研修中の編み手さんが作った布ぞうりをお手頃価格でチャリティー販売する取り組みもあります。
定期的に、講習会やワークショップも行われていますのでチェックしてみてください。

4.コンテックスの様々なアップサイクル商品をご紹介

コンテックスでは「捨てればマイナス、使えばプラス」を合言葉に、布ぞうりの他にもMOKUの捨て耳を使ってこれまでにさまざまな商品を製作してきました。

 

ユニークだけど、どこか愛らしい唯一無二のぬいぐるみ「クツシタ人」

クツシタ人は、コンテックの履くタオル(靴下)の製造過程で惜しくも販売基準に達することができなかった”わけあり靴下”とMOKUの捨て耳を中綿に詰めた99%リサイクル素材で出来ています。

昨年より販売が開始された「クツシタ人」は何とも言えない脱力感とあいくるしさがSNSを中心に話題を呼び、多くのファンを抱えるほどの人気者にまで成長しています°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

一つ一つ手作りで愛媛県内の福祉サービス事業所の方々に製作していただいています。納期などのノルマは設けず、無理のない範囲で楽しんで作ってくださるようお願いしており、手作りなので体型や表情などの違いがありますが、それもまたクツシタ人の個性として愛されている商品です♩
ワークショップも不定期で開催しているので、自分だけのクツシタ人づくりにぜひ参加してみてくださいね。

素足に心地良い手織り「MOKU MAT」

MOKUの捨て耳をヨコ糸に、タテ糸にはタオルを開発する際に試作を繰り返し採用に至らなかった上質な「残糸」を使用しています。
裂き織り職人さんが、一本一本、ひとつひとつ手作業で織り上げているので同じものはふたつとないリサイクルマットです。
1日に2枚しか織り上げることができない貴重な商品のためコンテックスタオルガーデンのショップ限定販売商品です。

 

花×MOKU 「プラントハンガー」

2019年にはお花屋さんとコラボして生花のリースを吊るすプラントハンガーのワークショップを行いました。
MOKUを知らないお客様もいた中での開催でしたが、ナチュラルな花の雰囲気と捨て耳の縫製していないフリンジ部分が妙にマッチしてとても素敵なプラントハンガーが出来上がりました。
アイディア次第で、端材も生活を彩るアイテムになってくれます♩

そして現在、大量生産大量消費問題、食料廃棄問題にアプローチする製品づくりとして新たなプロジェクトも進行中。
〇アパレルなどの縫製工場からでるコットンの端切れから再生したリサイクルコットンをタオルに生まれ変わらせる取り組み
〇廃棄される予定の食材や果物を染色の原料として生まれ変わらせる取り組み

 

5.まずは環境問題に対して最初の一歩を踏み出すことから。

今回、ふっくら布ぞうりの方たちの活動に参加してみて、みなさん「良いものを作りたい」という思いで楽しみながら製作されていたのが印象的でした。
ものづくりをする上で不要になった物を捨ててしまうことは簡単なことなのかもしれません。
しかし、一つのものを大切にし、誰かの役に立つものに変化させていく働きは現在の環境問題に対して私たちが取り組める最初の一歩になると思います。

実際に私たちが環境配慮をコンセプトにおいて商品開発を始めたのは数年前にペットポトルと過剰な衣料在庫のコットンをアップサイクルした糸を社外から購入して『MOKU TECH』という商品を製作したことが私たちにとっての最初の一歩でした。


しかし社外の企業様のお力を借りて踏み出したこの小さな一歩をきっかけに、新しい商品を作る際は生産において発生する廃棄物はもちろん・規格外商品をどのような形に変えていくかがセットで考えられるケースが社内でもスタンダードとなり、実際に多くの事例が生まれています。


靴下の生産の際にうまれる編み終わりの部分の輪っかを靴下を束ねる副資材として活用した事例。

包み隠さずお話しすると、実際に環境配慮系の商材に関しては企業様等からのノベルティーなど無償で配られる案件の問い合わせが多い一方で、一般消費者の方々からの『購買』という観点からではまだまだ社会的な浸透が追い付いていないのが現状です。
だからといって売れないから諦めるのでは無く、最初に踏み出した一歩をゆっくりとでも継続していくことが大切だと考えています。
そのためには単純にリサイクルだからということを付加価値とするのではなく、デザインや機能などをその商品が仮に『リサイクル』でなくても手に取ってもらえるような付加価値のある魅力的な商品開発を続けてこの問題と向き合い続けて行きたいと思っています。
コンテックスのこれからの『アップサイクル』にぜひご注目くださいね♩

最後まで読んでいただきありがとうございました。

プロフィール
小堀まりなコンテックス

隙あらば地元に帰りたい、今治生まれの東京暮らし。コンクリートジャングルを電動ママチャリで駆け抜けながら家事に育児に奔走中。コンテックス青山店でショップスタッフを5年経験後、育休を経て職場復帰。現在はEC事業部で、主にスチール撮影全般を担当。イベントやPOPUPにも良く出没します。

同カテゴリーの記事