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企画営業

2024.09.15

OEMに頼らない!?100%自社企画でものづくりを続けるタオル会社の働き方。

書き手 | 大木 春菜

 

こんにちは。

 

愛媛県の松山市を拠点に記事を執筆しているせいかつ編集室の大木と申します。

 

今回は、数年ぶりに営業・企画職の採用を行うコンテックス社についての記事を、外部からの客観的な目線で書かせていただきました。

 

働いてみたい人も、そうじゃない人も。コンテックスという会社の人格のようなものが分かる記事になっていますので、最後まで読んでいただけるとうれしいです。

 

1.コンテックスは、タオル業界の異端!?

私がコンテックスの中の人たちと出会ったのは、松山市シティプロモーション課のサポートを受けて運営していたこちらの記事の取材でした。

 

いま、ローカルサウナが熱い!松山サウナ事情|松山ローカルエディターズ

こんにちは。松山ローカルエディターズ編集長・大木です。 「松山ローカルエディターズ」は、愛媛県松山市の魅力を全国にお伝えすべく昨年2021年に誕生したチームです。ライター、編集者など、松山市を中心に各方面で活躍する、地元愛にあふれたメンバーが集まっています。 松山といえば・・・道後温泉、松山城、坊っちゃん団子etc… そんなイメージしかないかもしれません。 でも、それだけじゃないんです! 松山の隠れた魅力を、地元目線で、再定義する・・・! そんな目標を胸に、毎月テーマを決めて記事をアップしていきます。よろしくお願いします♪ 記念すべき、第一回目のテーマは「サウナ」。 道後温泉

 

営業の近藤さん、企画の相馬さん二人にMOKUのお話しと推しのサウナについてお聞きしたのですが、

 

「サウナが好きすぎて、コンテックスサウナ部をつくった」とか、

「試作品のサウナハットをはやく試したくて仕事の昼休憩の1時間で、エクストリームサウナしてる」とか・・・

 

そんな話を聞いて、「なんて楽しそうに仕事をしているお二人なんだ!」と感じていました。

 

暮らしのなかで感じたことを商品化できるフットワークの軽さ、

遊ぶように働ける会社の懐の深さ、

 

そんなことを感じたのです。

 

 

コンテックスは、実はタオル業界のなかではとてもめずらしいスタイルを貫いています。

 

それは何かというと、「OEMではなく、ほぼ100%自社企画で商品をつくり、売るところまで自分たちの手でやる」ということです。

 

タオルはもともと、「使っている糸の量」で値段が決まっていた業界。それ以外の付加価値をつける発想が長年なかったため、お客さんから依頼されたものをつくる生産工場としての立ち位置…つまりOEMのスタイルが主体でした。

 

しかし、コンテックスは1934年の創業時からずっと「自社商品」をつくることにこだわっています。

 

それはなぜか・・・!?

 

その根幹には「自分の足で立つ」という意志があったから。

 

「お客さんからどういう商品が望まれていて、どう工夫すれば響くのか」

 

自分たちで、つくって売るところまでやらないと商品を使う人の本当のニーズは見えて来なかったりします。

 

海外で安くものづくりをすることもできますが、人件費も高いこの日本で、敢えてこの時代に、ものづくりをする。

 

その理由があるとするならば、効率と均質性が一番に求められる工業製品であるタオル、そこに非効率でも「手仕事」に近いひと手間をプラスすること。

 

タオルが全部繋がった「織上がり」の状態で生地を洗った方がコストも安く手間もかからないのに、使い始めから人の手に馴染む風合いや織物の雰囲気を出すために一枚ずつ裁断・縫製ししてから洗い加工をしたり、

 

 

誰も気に留めないような小さな色の奥行きを表現するために、綿(わた)の状態で何色もの細かな染め分けを行ってから一本の糸に紡いで世界で一つしかないオリジナルの糸を作ってみたり。

 

 

手工業品でも工業製品でもない、その中間にあるものを目指しています。

 

そこには、提供する価格も含めて「わたしたちにしかできないものづくり」という創業以来受け継がれてきた頑固なまでの信念があるのです。

 

2.公私混同のものづくり

コンテックスのタオルは、徹底的にユーザー目線です。

 

「誰か」ではなく、実際にタオルを使う「あの人」をイメージして、より具体的に使う人の目線に立ったものづくり。

 

もっと言うと、「自分が本当に欲しいもの」を考え抜いてつくっています。

 

たとえば、今治サウナハット『POCKT』は、

 

  • サウナ中に銭湯のカギが肌にあたって『アチっ』となる
  • ちょっと飲み物を買いたいときにロッカーまで戻るのがめんどくさい
  • サイレントサウナが好きだけど耳栓をどこかに忘れそう

 

という相馬さんの「すてきなサムシング」から生まれました。

 

「すてきなサムシング」とは、ものづくりの上で “あと一歩” プラスするもののこと。

 

コンテックスの企画社員一人ひとりが大切にしているものづくりの根幹とも言えます。

 

どうやって「すてきなサムシング」を見つけるか・・・?

それは、作り手自身が徹底的に暮らしを楽しみ、好きなことをとことん突き詰めること

 

つまり、公私混同のものづくり(笑)をしているということ。

 

もともとタオルは、「分厚くてボリュームのあるふんだんに糸を使ったものほど高級」というのが数年前までの一般的な価値観でした。

 

でも使う人の目線に立つと、誰かが洗濯をしてくれるホテルなどではリッチなタオルもよいのだけれど、日常の様々なシーンを思い浮かべるとそれだけが正解ではないと気付きます。

 

 

たとえば旅行や屋外、お風呂などでは、ボリューム感よりも薄くて絞りやすい方が持ち運びやすく、嵩張らない、そして使った後のことを考えると乾きやすいタオルがいい・・・当時の社員の暮らしの中の気付きから生まれた商品が現在のコンテックスの看板商品でもある「MOKU」や「布ごよみ」なのです。

 

こちらの制作秘話もぜひご覧ください。

 

3.自分で考え、自分で動く

さて、本題です。

今、コンテックスでは「企画」と「営業」の人材を募集しています。

 

ざっくり言うと・・・

「企画」は「これをつくりたい」をカタチにする部署。

「営業」はつくったものを売る部署です。

 

コンテックスの大きな特長は、つくる〜売るまでをそのほとんどを自社でまかなっていること。

 

新卒で採用され、企画で働いている矢野さんは、まさにその部分に魅力を感じて入社を希望しました。

 

「コンテックスに興味を持ったきかっけは、現会長が副社長の時代に大学で講演をしてくれたことでした。そしてここで働きたいと思ったのは自分から声をかけて工場見学をしたとき。企画もして、出荷もして、ショップまである。ここで全部まかなっているんだ!ということに衝撃を覚えたんです」。

 

これは、タオル業界では結構特別なことなのです。

 

よい企画があっても、つくる人がいないとものはつくれないし、つくっても売ってくれる人がいないと存続できない。

 

ものづくりの入り口から出口まで関わることができるのが、コンテックスの強みです。

 

ちなみに、コンテックスの自社ショップ「コンテックスタオルガーデン」ができたのは、タオル業界全体が最も厳しかった時代。海外から安価なタオルがどんどん入ってきて、価格競争の波に飲み込まれていきそうなタイミングでした。

 

先代の、「自分の足で立つ」という意志が感じられるエピソードです。

 

「自分の足で立つ」という思想は、社員一人ひとりに染み込んでいます。

 

というのも、コンテックスにはノルマがありません。

 

企画では、毎週会議があるのですが、そこではそれぞれが自主的にはじめた企画の進捗を共有しています。

 

トップから指令されたものづくりというより、自分がやりたくて、やっているプロジェクトがいくつもあるイメージ。

 

すべてがそろうコンテックスなので、「これやってみたい」と思ったら社内でメンバーを募れば実現までのスピードは早いです。

 

驚くことに営業にも、ノルマはありません。

 

各自担当する地域へ出向き、既にお取引のあるお客さんを訪問しながら商品を紹介したり販促のお手伝いをするのが基本ですが、

 

各自が自分達の商品を届けたいと思う新しいお店や会社さんへ飛び込みを行うことで自発的に市場を広げていく取り組みが近年活発になっています。

 

そもそもタオルって、人間が人間として暮らす以上みんなが使うもの。

 

そして取り扱う商品は、自分たちの会社で作った、自信を持って薦められるタオルです。

 

飛び込み営業をしても無下にされることはなく、むしろ遠方などに行くと(海外に行くこともあります!)「え?わざわざ今治から来たんですか?タオル屋さんが?」みたいな感じで、まずは驚かれ、商品を手に取ってもらえることが多いそうです。

 

 

そして何より・・・、出張の夜などに自分が担当する地域の温浴施設などに入ると、実際にたくさんの人がコンテックスのタオルを使っている。

それを目にするのが、何よりもモチベーションになります。

 

 

「前職はノルマが厳しくとにかく成長を重視する会社だったので、管理されない環境に最初は正直この会社は大丈夫なのかと思いました。(笑)

しかし、自分の数字の都合で商品を求めていない人に押し売りする必要がなく、純粋に会社と商品の魅力を伝えることだけにフォーカスできていることに気付き、

結果として売上とお客さんとの関係の両面で良い仕事が出来ています。」と営業課の近藤さん。

4.こんな人には不向き!?

コンテックスは、ワークライフバランスが保てる会社です。

扱う商品の特性上、現段階では繁忙期にあたる4月から9月は土曜日が隔週出勤のため完全な週休2日とは言えませんが、

基本的に日々の残業は無く、定時の5時を過ぎると駐車場に車はほとんど見当たりません。

 

 

そのような環境なので育児をしながら働く女性も多いです。

 

先ほど紹介した企画の矢野さんも、去年育休を終え復職したばかり。

 

今は時短勤務で働いているのですが、このような女性社員も何名かいて、今では育休を取得する男性社員もいます。

 

先述したとおり、社員一人ひとりが暮らしを楽しみ、そこで持ち帰ったものをカタチにするのがコンテックスのやり方です。

 

良い意味で遊びと仕事の境界線はありません。

 

営業はノルマがない分、「ここまでやったら終わり」というような線引きがない中、それぞれが自立した責任感を持って仕事を進めている環境です。

 

自分が作りたいものが見つかれば企画社員に声をかけてものづくりも行います。

 

これまで会社として認められなかったことも、新しい時代にそれが必要だと思えば役員にもプレゼンをしながら先頭に立って物事を進めます。

 

そこには会社にとって長い目で見て良いと思えること、必要なことを「めんどくさいであきらめたくない。」という共通の思いがあります。

 

だから、逆にサボれてしまう人、ことなかれ主義な人、自分で考えて動くのが苦手な人は、しんどくなるかもしれません。

 

ずばり!やらない人の居心地は少し悪い環境と言えます(笑)。

 

企画は、中途採用となるためデザインの実務経験があることが前提ですが、

 

絵などがかける人・織物の設計に詳しい人・機械や素材の開発に長けた人など、何かに特化したそれぞれが協力しながら仕事をすすめている環境です。

 

 

  • WEB上での会社の情報発信が得意(広報が不在で会社の情報発信が苦手なため)
  • パターンが引ける(縫製品の開発をより広げていきたい)

 

といったように今のコンテックスにはないスキルを持った方は特に大歓迎です。

 

そうはいってもどちらのポジションもまず必要なのは、「コンテックスの商品が好きなこと」「ものづくりが好きであること」、「自分の足で立つ!という意志がある」人。

 

この記事を読んでコンテックスでのお仕事にご興味を持たれた方は採用情報より諸条件と採用のフローをご確認のうえ、ご応募をお待ちしております。

 

多くの情報を開示している上場企業ではありません。いきなり応募!というのもハードルが高いと思うので、事前に確認しておきたいことも多くあるかと思われます。

 

ミスマッチ防止も含め、ご希望の方には応募前に気になる点などについてZOOM等質問の場や、実際の会社見学も受け付けておりますので、お問い合わせよりお気軽にご連絡下さい。

 

※営業・企画職それぞれ各1名の募集となるためポジションが埋まり次第、採用を終了いたします。

5.編集後記

取材をさせていただいて、正直・・・「私が働きたいっ!」って思いました。とっても自由!それでいて「ゆるすぎる」感じはなく、「よいものをつくる」という同じ方向性を見つめている感じがひしひしと伝わってきて。この絶妙なバランス感こそが、会社の人格であり、社風なんだなぁと感じました。この空気感ができあがるのは、はっきり言って奇跡だと思います。改めて、コンテックス好きだわ、推せる・・・!となりました。

 

私は、MOKUが好きでもともと愛用していたのですが(数えたら家に4枚ありました!)、取材をしたあとに靴下(アキナイクツシタムレナイリネンソックス)も購入させてもらいました。

 

私は、ちょっとばかし靴下にうるさいです。締め付けが苦手なので、どんなに可愛い靴下でもゴムがきついと履きません。コンテックスの靴下は、履き心地がよく、締め付けがありません。そして・・・かわいい。色がかわいいんです!チラ見せに最適。

おうちにあったMOKUや布ごよみも、コンテックスのみなさんが使う人のことを考え尽くしてこのカタチになったんだなぁと思うと、さらに愛着が沸きました。

 

新しく採用される方、うらやましいです!絶対楽しい職場です。

 

よい出会いがありますように。

 

プロフィール
大木 春菜株式会社せいかつ編集室(社外ライター)

愛媛県大洲市出身。地元出版社の編集者、ウェブ制作会社のディレクターを経てフリーの編集者に。オフラインとオンライン、アナログとデジタルの間の活動を目指している。手帳好きで、時々手帳講師の仕事も。

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